一人では何もできぬ。しかし、まず一人が始めなければならぬ

藤原茂（作業療法士）

出典：「プロフェッショナル仕事の流儀」決定版　人生と仕事を変えた５７の言葉 (ＮＨＫ出版新書　362) ＮＨＫ「プロフェッショナル」制作班

松山善三監督の「われ一粒の麦なれど」。小児まひ撲滅のために格闘する医師を描いた映画である。その冒頭、画面に一つの文章が映し出された。劇作家・岸田國士の小説のなかの一節だった。

「身震いしました。身震いしました。当時、障がい児を助ける仕事をしたいと思っていたのですが、自分は何もできないと情けなく思っていたのが、いや、あなたにも何かできることがあると言われた気がした。何かできることがありそうだと思えるようになったんです」